第5回公認心理師試験

第5回公認心理師試験 問137

20 歳の女性 A、大学 2 年生。 1 か月前から男性 B と交際してい る。A は B が誰か別の人物と一緒に食事をしたり、自分が知らないう ちに出かけた話を聞いたりすると不安が高まり、B の行動に疑念を抱く という。A は B の行動を常に確認しないと安心できず、B がソーシャ ル・ネットワーキング・サービス〈SNS〉に投稿する内容を常に確認し、 B の携帯端末の画面に表示される通知を頻繁にのぞき込んでしまう。そ のことで A と B は言い争いをし、関係が悪化する状態が繰り返されて いる。 A の状態として、最も適切なものを 1 つ選べ。


第5回公認心理師試験 問138

7 歳の女児 A、小学 1 年生。両親による身体的虐待やネグレクト により 4 歳から児童養護施設で生活している。A は、学業成績に問題 はなく、質問への返答も的確である。その一方で、施設入所以来、笑う ことがなく、苦痛や不平を一切訴えることがない。また、他人と交流せ ず孤立しており、A はそれを苦痛に感じていないようであった。ある 日、A が学校で継続的ないじめを受けていることが発覚した。加害児 童は、「A は話しかけても無視するし、全然笑ってくれない」と話した。 施設の担当職員に対しては入所時よりも若干柔らかい表情を示すように なってきている。 DSM- 5 の診断基準から考えられる A の病態として、最も適切なも のを 1 つ選べ。


第5回公認心理師試験 問139

23 歳の女性 A、会社員。高校時代にわいせつ行為の被害に遭っ た。大学卒業後、会社員となったが、今年の社員旅行の際に、仕事の関 係者から性行為を強要されそうになり、何とかその場から逃げ出したも のの、帰宅後に強い心身の不調を自覚した。その後 3 か月経っても症状 が改善しないため、精神科受診に至った。同じような悪夢を繰り返し見 ることが続き、よく眠れない「。このような被害に遭うのは、私が悪い」、 「自分は駄目な人間だ」と話す。 A の状態像を把握することを目的に、公認心理師が行う可能性のあ る心理的アセスメントとして、最も適切なものを 1 つ選べ。


第5回公認心理師試験 問140

公認心理師 A。台風の被害が出たため、災害派遣チームの一員と して避難所を訪れ、心理教育を目的に講習会を開くことになった。A は、被災によるストレスについて講義をした後、一部の参加者が残って 自発的な話し合いをもった。ある人が、「洪水で流された家があるが、 自分の家は浸水もしなかった。申し訳ない」と涙ながらに語った。別の 人は、「自分の家は浸水したが、家族は無事だった。家族に不明者がい るという話を聞くたびに、自分も罪の意識を感じる」と語った。二人の 発言を、皆はうなずきながら聞いていた。  ここで生じているコミュニケーションについて、I. D. Yalom の集団 療法の概念として、適切なものを 1 つ選べ。


第5回公認心理師試験 問141

17 歳の男子 A、高校 2 年生。A は、監視されているという恐怖の ため登校できなくなり、母親 B に連れられて高校のカウンセリング ルームの公認心理師 C のもとへ相談に訪れた。A は、 1 か月ほど前か ら、外出すると自分が見張られており、家の中にいても外から監視され ていると感じ、怖くてたまらなくなった。「見張られていること、監視 されていることは間違いない」、「自分が考えていることが他者に伝わっ てしまう」と A は言う。A に身体疾患はなく、薬物の乱用経験もない。 B は、「カウンセリングによって A の状態を良くしてほしい」と C に伝 えた。 この時点での C による対応として、最も適切なものを 1 つ選べ。


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