第5回公認心理師試験

第5回公認心理師試験 問142

45 歳の男性 A、会社員。総合病院の内科外来で 2 年前から 2 型糖 尿病の薬物療法を受けている。不眠が近頃ひどくなり、内科の主治医に 相談した。A は、 1 年前から仕事が忙しくなり、深夜に暴飲暴食をす ることが増えた。A の体重が増加していることや、血糖値のコントロー ルが悪化していることを A の妻は心配しており、口げんかになること も多い。 1 か月前から、未明に目が覚め、その後眠れないようになっ た。日中は疲労感が続き、仕事を休みがちである。趣味にも関心がなく なった。心理的支援が必要と考えた主治医から院内の公認心理師 B へ 依頼があった。 現時点における B の A への対応として、最も優先すべきものを 1 つ 選べ。


第5回公認心理師試験 問143

60 歳の男性 A、俳人。物忘れが最近増えてきたことを心配した同 居の息子 B に連れられ、精神科クリニックを受診した。黙っている A に代わって話をした B によると、A は、半年前から膝が上がらなくな り、徐々に歩幅が小さくなった。今では、脚が左右に開き気味で、歩行 が不安定である。また、 3 か月ほど前からトイレに行く頻度が増え、近 頃は、間に合わずに尿を漏らすこともある。日中は、ぼんやりしている ことが多く、楽しみにしていた地域の句会にもしばらく参加していな い。一方で、夜間はよく眠れており、食欲も以前と変わらず、奇異な訴 えもない。 A に考えられる病態として、最も適切なものを 1 つ選べ。


第5回公認心理師試験 問144

32 歳の女性 A、会社員。A は、持病の視神経炎が悪化し、ステロ イドパルス療法を受けるため、総合病院に入院した。治療開始後 5 日目 から、食欲低下と不眠が続いている。10 日目の夜、病棟内を落ち着き なく歩き回り、看護師に不安やいらだちを繰り返し訴えた。意識障害は なく、原疾患以外の明らかな身体所見も認められていない。眼科の主治 医から依頼を受けた精神科リエゾンチームが A の病室を訪問したとこ ろ、いらいらした様子で、「どうせ分かってもらえません」と言ったり、 「私が悪かったんです」とつぶやいたりして、涙ぐんだ。 A の症状として、最も適切なものを 1 つ選べ。


第5回公認心理師試験 問145

24 歳の女性 A。同居している男性 B から繰り返し暴力を受けてい る。ある日、怪我をしている A を心配して友人が問い詰めたところ、B から日常的に暴力を受けていると語ったため、B との関係を解消し、家 を出るように勧めた。一時は、「関係を解消しようかな」と言っていた A であったが、結局 B との関係を解消することはなく、再び暴力を受 けることになった。その後も周囲が関係の解消や相談機関への相談を勧 めたことで、一時家を離れることもあったが結局は B の元に戻り、暴 力を受けることを繰り返している。 このように暴力の被害者が、被害を受ける関係の中に留まり続ける現 象を説明するものとして、最も適切なものを 1 つ選べ。


第5回公認心理師試験 問146

2 歳の女児 A。A は、生後間もない頃から乳児院で暮らしている。 定期的に行われてきた発達検査では年齢相応の発達がみられ、入所直後 から担当養育者となった B との間にも安定した関係がみられている。 その後、A が 2 歳となり、A は同じ県内にある児童養護施設に措置変 更されることになった。児童養護施設では保育士 C が A の担当になる ことが決まり、受け入れに向けた準備が進められている。 この後、A が乳児院から児童養護施設へと措置変更となるプロセス における配慮として、最も適切なものを 1 つ選べ。


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