第5回公認心理師試験

第5回公認心理師試験 問67

問67 50 歳の男性 A、会社員。A は、 1 年前に職場で異動があり、慣れない仕事への戸惑いを抱えながら何とか仕事をこなしていた。 8 か月前から、気力低下が顕著となり、欠勤もみられるようになった。憂うつ感と気力低下を主訴に 2 か月前に精神科を受診し、うつ病の診断の下、当面 3 か月間の休職と抗うつ薬による薬物療法が開始された。A は、 2か月間の外来治療と休職により、気力低下や生活リズムは幾分改善し、復職に意欲はみせるものの、不安は残っている様子である。  改訂心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き(令和 2 年、厚生労働省)に基づき、現段階の A に必要な支援として、最も適切なものを 1 つ選べ。


第5回公認心理師試験 問68

問68 78 歳の女性 A。 3 年前に夫と死別した後は、一人暮らしをしている。元来きれい好きで、家の中はいつもきちんと片付いていた。遠方に住む一人娘の B は、安否確認を兼ねて毎日電話で A と話をしている。A は、 2 年ほど前から何度も同じ話を繰り返すようになり、半年前頃から、B と午前中に電話で話したことを忘れて、 1 日に何度も電話をかけるようになってきた。心配になった B が A を訪問すると、家の中や外に大量のごみがあり、冷蔵庫に賞味期限切れの食材が大量に入っていた。A の人柄が変わった様子は特にないが、B が捨てるように説得しても、A は食べられるから大丈夫と言って取り合わない。  A の状況から考えられる病態として、最も適切なものを 1 つ選べ。


第5回公認心理師試験 問69

問69  4 歳の男児 A。A の養育は精神障害のある母親 B が行っていた。1 歳 6 か月時の乳幼児健診では、発語がなく、低体重で、臀(でん)部がただれていた。母子で自宅に閉じこもり、B が不調のときは、A は菓子を食べて過ごした。ある時、A に高熱が続くため、小児科を受診したところ、感染症が疑われた。一方、う歯(虫歯)が多数あり、発語も乏しく低栄養状態もみられたため、児童相談所に通告された。A の一時保護が医療機関に委託され、A は入院加療となった。A の入院中に B の精神症状が増悪したために、A は、退院後に児童養護施設に入所することになった。  入所初期の A への支援方針として、最も適切なものを 1 つ選べ。


第5回公認心理師試験 問70

問70 14 歳の男子 A、中学 2 年生。A はささいなきっかけからクラスメイトにひどく殴り掛かったことで生徒指導を受けた。その後、A の欠席が多くなってきたことが気になった担任教師 B は、公認心理師であるスクールカウンセラー C に A を紹介した。C との面接において、Aは、父親が母親にしばしば激しく暴力を振るい、母親が怪我をする場面を見てきたと述べた。しかし、父親から A への暴力はないという。  C が優先的に行うべき対応として、最も適切なものを 1 つ選べ。


第5回公認心理師試験 問71

問71 15 歳の男子 A、中学 3 年生。A は、推薦で高校に進学が決まってから、友人 B とよく遊んでいた。ある日、B がゲームセンター内の窃盗で逮捕された。A は直前まで B と一緒にいたが、警察で共犯ではないと認められた。動揺していた A は教師の勧めで、スクールカウンセラー C に話を聴いてもらった。A は C に、「その日は、B が置きっぱなしの財布を見つけ、盗んで遊ぼうと誘ってきた。迷ったが、そうすれば進学できなくなり、親にも迷惑をかけると思い、B にやめた方がいいと言って帰宅した」と述べた。  B の非行に A が加担しなかった理由を理解する上で、適合する非行理論として、最も適切なものを 1 つ選べ。


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